この記事では、キーワード候補の集め方から、書いても勝てない言葉の外し方、記事への割り当てまで、キーワード選定に関する手順を6つに分解して解説します。
- 候補集めから一覧表までの6手順を、順番どおりに追えます
- キーワードプランナーとラッコキーワードの操作を、画面付きで示します
- 書いても勝てない言葉の外し方を、38語の実測とあわせて出します
- 検索数の使いどころと、1記事で何語まで狙えるかに答えます
当社(株式会社単刀直入)はSEO対策を提供している会社です。この記事の数字は、キーワードプランナーで実測したSEOに関する85語と、そのうち月100回以上の38語の1ページ目をGoogleで1件ずつ数えた結果に基づきます。
キーワード選定とは、記事1本を「誰のどの問い」に当てるか決めること
キーワード選定とは、記事を書く前に、その記事で狙う検索語を決める作業です。もう一段階踏み込んで、「検索語を決める」とは、「その言葉を打ち込む人が誰で、何を知りたいのかを決めること」です。
この記事では、社労士事務所を例にして6つの手順を解説します。
「誰の」という点に関して、例えば社労士事務所が「社労士 顧問料」を狙うなら、読者は顧問先を探している会社の担当者です。「社労士 求人」を狙えば、読者は社労士として働きたい人になります。同じ事務所のサイトでも、選ぶキーワードで「来る人」「検索意図」が全く異なってきます。
検索クエリは打たれた言葉、キーワードは狙うと決めた言葉
検索クエリは、人が実際に検索窓に打ち込んだ言葉そのものです。検索キーワードは、そのうち自社が狙うと決めた言葉を指します。
たとえば、社労士を探している会社の担当者は、こんな言葉を打ちます。
| 実際に打たれた言葉(検索クエリ) | 何が起きているか |
|---|---|
| 社労士 顧問料 | そのまま。これはキーワードにもなる |
| 社会保険労務士 顧問料 | 正式名称で打つ人。答えは「社労士 顧問料」と同じ |
| 社労士 顧問料 相場 100人 | 従業員100人規模。具体的だが打つ人は少ない |
| 社労士 顧問料 | 全角スペース。同じ言葉として扱われる |
| 社労士の顧問料っていくらくらい? | 話し言葉のまま。音声検索に多い |
| 社老士 顧問料 | 打ち間違い |
この6つは全部クエリです。この中から記事で狙うと決めた1語がキーワードになります。上の例なら「社労士 顧問料」です。
キーワード選定は、このクエリの山からキーワードを選ぶ作業です。
選定でミスすると上位表示は狙えない
選ぶキーワードを間違えると、記事をどれだけ良くしても上位表示されません。
例えば「労働保険 手続き」で1ページ目に並ぶのは、厚生労働省と労働局です。制度を運営している当事者(特に行政)には基本勝てないです。
とはいえ、行政の制度解説は難解で専門知識や経験がなければ理解できないことも多いです。ですので、制度を噛み砕いて解説した社労士事務所の記事には需要があり、それに伴って国の直下の検索順位を取れば流入やお問い合わせは増えます。
1記事には「1キーワード+関連語」
キーワードは、1本の記事につき1つに絞るのが理想です。ただ、「1本につき1つのキーワード」というのは簡単ですが、実際にやるのはかなり難しいです。というのも、候補は数百語出てきます。そこから1語を選ばなければなりません。
ですので、実務的には「1つのメインキーワードとその関連語は1つの記事にまとめる」というのが基本です。
実際の選び方として、たとえば「社労士 顧問料」をメインキーワードとして選んだとき、残りはこう振り分けます。
- 「社労士 顧問料 相場」は答えが同じ → 同じ記事に束ねる
- 「社労士 費用」は答えが近いが上位の顔ぶれが違う → 別の記事に回す
- 「社労士 求人」は読者が求職者 → そもそも対象外
この振り分けのやり方も、次のSEOキーワード選定6ステップで扱います。
SEOキーワード選定のやり方6ステップ
キーワード選定は6つの手順で進めます。
手順1 軸になるキーワードを1つ決める
最初に、事業の中心となるキーワードを1つ選びます。社労士事務所なら「社労士」です。
この1語から候補を広げていくので、抽象化しすぎないでください。例えば「士業」「経営支援」まで広げると、関係する言葉が増えすぎて必要な記事数が膨らみます。まずは自社で売っているサービス・商品のジャンル名を軸とするのが良いでしょう。
軸となるキーワードと一緒に、読者を具体的に想定します。「従業員10名で、初めて社労士を探している会社の社長」といった感じです。基本は、自社で提供している商品・サービスで狙っているターゲット(ペルソナ)を読者として想定すればOKです。
読者が決まると、同じ「社労士」でも拾うべきキーワードが変わります。例えば、受験生向けの言葉が候補から自然に落ちていきますね。
手順2 候補を集める
軸の言葉から、実際に検索されている組み合わせを集めます。集め方は5つあります。
- ラッコキーワードで、検索窓に出る候補をまとめて取得する
- キーワードプランナーで候補を広げる
- 検索結果の「他の人はこちらも検索」から拾う
- 上位に出ている記事の見出しから拾う
- すでに記事があるなら、サーチコンソールで表示されている言葉を拾う
ここでは、関係がありそうなものは全部リストに入れます。ちなみに社労士事務所の例では、キーワードプランナーだけで348語が出ました。この5つのやり方は、次の章で1つずつ解説します。
この手順における原則は、1つの経路で済ませないことです。経路によって出てくる言葉が違います。当社が実測したところ、キーワードプランナーを使っただけでは、月100回以上検索されている言葉の半分が検知できていませんでした。
手順3 検索数を測る
集めた候補を、キーワードプランナーに入れ込みます。見るのは月間平均検索ボリュームです。
例として、執筆時点で社労士事務所の5語を測ると結果は以下でした。
- 社労士 顧問料が260
- 社労士 費用が390
- 就業規則 作成が390
- 労働保険 手続きが260
- 労働基準法が9万500
後で解説しますが、広告を出してないアカウントでは10〜100というように検索ボリュームが幅のある形で出ます。今回は自社が運営しているメディアで広告を出してるので、そのアカウントを使って詳細なボリュームを出しています。
手順4 1ページ目の顔ぶれを見て、記事の枠があるかを判定する
候補を1語ずつ実際に検索して、1ページ目に並んでいるページを上から数えます。1ページ目には、9本から10本のページが並びます。
判定は2段階です。1段階目で記事の枠があるかを見て、2段階目で自社がその枠に入れるかを見ます。
さきほどの5語を判定すると、こうなります。
- 社労士 顧問料:9本とも社労士事務所。枠があり、同じ立場の事業者が現にいる
- 社労士 費用:9本とも社労士事務所。同じ
- 就業規則 作成:公式3本、事務所4本、SaaS2本。枠はあるが半分が公式とSaaS
- 労働保険 手続き:1位が厚生労働省、2位が労働局。上の2件は取れないが、5位以降に社労士事務所が2本いる
- 労働基準法:法令データベースと厚生労働省が上位。残りは大手SaaSと百科事典で、社労士事務所は0本
検索ボリュームだけ見ると、「労働基準法」が9万超えているので書きたくなります。
でも、社労士事務所で最初に攻めるべきなのは検索ボリューム260の「社労士 顧問料」です。上位を取れる可能性も高いですし、他社労士事務所が記事を書いていることから、流入・お問い合わせにもつながると予想できるからです。
手順5 答えが同じ言葉を束ねる
ここまでの選定で残った候補には、言い方が違うだけで答えが同じ言葉があります。見分け方は、2つの言葉で検索して、1ページ目に出てくるURLが何本重なるかを数えることです。半分以上重なるなら1本にまとめます。
半分を境目にするのは、Googleが同じ問いと見なしているかどうかが、そこで割れるからです。実際に数えると、7本以上か4本以下かのどちらかに寄ることが多いです。
社労士の例で数えると、3通りに分かれました。
| 組み合わせ | 1ページ目の重なり | 判定 |
|---|---|---|
| 社労士 顧問料 × 社労士 顧問料 相場 | 9本中7本 | 束ねて1本 |
| 社労士 顧問料 × 社労士 費用 | 9本中4本 | 分けて2本 |
| 社労士 顧問料 × 社労士 求人 | 0本 | 別のテーマ |
注目してほしいのは真ん中です。「顧問料」と「費用」は、人の目には同じ問いに見えます。それでも1ページ目は半分しか重なりません。Googleは別の問いとして扱っているので、こちらも分けます。
単純な「語感」で束ねると記事を外しやすくなるので、このようにして客観的・機械的に当社では判別しています。
手順6 1記事1語に割り当てて、一覧表にする
最後に、残った言葉を表にします。列は6つです。
- 狙う言葉
- 検索数
- 1ページ目の顔ぶれ
- 判定
- 誰の問いに答えるか
- 書く順番

書く順番は、判定が良くて、かつ売上に近い言葉から付けます。「社労士 顧問料」は顧問先を探している会社が打つ言葉なので先に書きます。「就業規則 作成」は入れる枠が狭いぶん後回しになります。
一覧表ができたら、あとは上から書いていくだけです。記事の書き方は、SEO記事の書き方7つの手順【2026年】でまとめているのでご覧ください。
キーワード候補の集め方とツールの使い方
候補集めに用いるツールは2つです。
- ラッコキーワード
- キーワードプランナー
どちらも登録すれば使えます。
集め方1 ラッコキーワードで、検索窓に出る候補をまとめて取る
ラッコキーワードは、Googleの検索候補をまとめて取ってくるツールです。軸のキーワードを入れると、その言葉を含む組み合わせが一覧で出ます。軸の「社労士」のままでは候補が広すぎたので、ここは「社労士 顧問料」まで絞って調べます。

26語が出ました。左のメニューから、関連キーワード、共起語、見出し抽出にも切り替えられます。無料のままだと検索数は出ません。でも、この26語をコピーして、次のキーワードプランナーに入力すれば検索数は確認できるので安心してください。
集め方2 キーワードプランナーで候補を広げる

キーワードプランナーには2つのツールがあります。
- 新しいキーワードを見つける:入れた言葉から候補を広げてくれるツール。単語単体で入れると、さまざまな候補が出るイメージ
- 検索のボリュームと予測のデータを確認する:こちらが指定した言葉の検索数だけを返す。ラッコキーワードで取得した単語を入れるイメージ
使うにはGoogle広告のアカウントが必要です。作成の途中で広告の設定を求められることがありますが、キャンペーンを作らずに管理画面へ進めば、広告費をかけずにキーワードプランナーを使えます。
「新しいキーワードを見つける」の使用イメージは以下です。

「社労士 顧問料」「就業規則 作成」「労働保険 手続き」の3語を入れると、348語の候補が出ました。上部の「検索結果を拡張」のチップも押すと、さらに広がります。
また、「検索のボリュームと予測のデータを確認する」にラッコキーワードで取得した語句を入れてみました。返ってくるのは指定した言葉の数字だけです。そのかわり「新しいキーワードを見つける」では出てこなかった言葉もしっかり測れます。

併用が理想
- 新しいキーワードを見つける
- 検索のボリュームと予測のデータを確認する
の2ツールは併用するのが理想です。抜け漏れなくキーワードを集めるためです。
実験のため、当社では別に、SEOに関する5語で同じことを試しました。「検索のボリュームと予測のデータを確認する」で測った月100回以上の38語のうち20語(52%)は、「新しいキーワードを見つける」が出した599語の中に1語も出てきませんでした。
落ちたのは、たとえば次のような言葉です。
- 検索ボリューム(月1,600回)
- 検索クエリ(月880回)
- 検索数 調べる(月720回)
- 共起語(月590回)
- 検索意図(月320回)
どれも、キーワード選定について書くなら外せない言葉です。つまり「新しいキーワードを見つける」だけで進めると、この20語は候補リストに一度も現れず、流入機会を取り逃がすことになります。
だから、ラッコキーワードや検索結果から集めた言葉を、「検索のボリュームと予測のデータを確認する」にまとめて貼り付けて測るべきです。
検索数が「100〜1000」と幅で出るときの読み方
また、広告を出稿していないアカウントでは、検索数が幅で表示されます。

「100〜1000」「1万〜10万」のような形です。幅でも大小の比較はできるので、候補を絞る段階ならこのままでも十分です。
正確な数字が欲しいなら、少額でも広告を出稿しましょう。出稿すると同じ画面が「260」「390」のような実数に変わります。
集め方3 検索結果の「他の人はこちらも検索」から拾う
検索結果そのものが候補の宝庫です。

1ページ目の下にある「他の人はこちらも検索」には、その言葉を打った人が次に打った言葉が並びます。
「社労士 顧問料」なら
- 相場
- 100人
- 給与計算
- 年間
- 勘定科目
- 顧問契約 必要性
などなど。どれも料金の周辺で読者が気にしていることです。
またGoogleにおいては、途中に「関連する質問」が出ることもあります。出ていれば、そこに並ぶ問いは記事の見出しにそのまま使えます。
なお、「他の人はこちらも検索」や「関連する質問」を見るときは必ずログアウトした状態か、シークレットウィンドウにしてください。自分の検索履歴が反映され自然な候補を取得できなくなるからです。
集め方4 上位に出ている記事の見出しから拾う
1ページ目の上位記事を開いて、見出しを書き出します。上位にいる記事は、その言葉で検索した人が求めている項目を満たしているから上位にいます。だから、上位記事で入れてる見出しは自社記事にも入れるべきです。
集め方5 すでに記事があるなら、サーチコンソールから拾う
すでに記事があるサイトなら、サーチコンソールの検索パフォーマンスからクエリのタブを開きます。表示回数はあるのにクリックがない言葉が、いま取りこぼしている言葉です。
ただしこれは記事がすでにあるサイトの手段です。始めたばかりのサイトにはデータが溜まっていないので、上で解説した方法をメインで使うことになります。
キーワードの季節性は、Googleトレンドで確かめる
Googleトレンドを使うと、その言葉が1年のどこで検索されるかが分かります。検索数の絶対値は出ませんが、ピークを100とした相対値で推移を見られます。
例えば「助成金」のように申請期間で山が来る言葉は、公開のタイミングで順位が変わります。逆に通年で検索されるキーワードなら、いつ出しても構いません。
有料ツールが要るのは、競合の流入キーワードを抜き出すとき
「キーワード検索に有料ツールは必要ないの?」という疑問が浮かんだかもしれません。
基本は必要ないですが、競合サイトが流入している言葉を丸ごと抜き出したいときは別です。以下のツールが役立ちます。
- Ahrefs、Semrush:競合ドメインの流入キーワードを逆算する
- Keywordmap、ミエルカSEO:日本語の複合語に強く、意図の分類まで自動でやる
詳しくは、SEOツールおすすめランキングTOP93【2026年】をご覧ください。
SEOで悩みを抱えている経営者・担当者の方は、ぜひ無料相談してください。現在の集客の状況を伺い、何から手を付けるべきかをお答えします。相談は無料で、契約の義務はありません。
1ページ目の顔ぶれを見て自社記事が枠に入れるかを確認
ここが選定の中心です。候補の言葉で実際に検索して、1ページ目に並んでいるページを見ます。
判定は2段階です。1段階目で記事の枠があるかを見て、2段階目で自社がその枠に入れるかを見ます。
1段目 上位に「記事以外」がどれだけ並んでいるかを数える
候補の言葉で実際に検索して、1ページ目に並んでいるページを3つに分けて数えます。
- プラットフォームの公式。省庁、自治体、Google、大手プラットフォームのページです。
- ツール本体やサービスのトップページ。記事ではなく、機能そのものが並んでいる状態です。
- 記事。企業のブログ、専門サイト、個人のブログです。
1と2が上位に固まっているときは、そのキーワードで上位表示するのは厳しいです。枠そのものが埋まっているからです。

「労働保険 手続き」は1位が厚生労働省、2位が労働局です。
ただし3位から下は空いています。実際、5位と7位には社労士事務所が入っています。1位は無理でも、制度を噛み砕いて書けば3位は狙えるということです。
2段目 自社と同じ立場の会社が、上位にいるかを見る
1段目を通っても、まだ「書くべき」と判断するわけではありません。並んでいる記事の書き手を見ましょう。

「社労士 顧問料」は、上位9本が全部、社労士事務所のサイトです。同じ立場の事業者が現に1ページ目にいるので、ここには自社が入れる枠があります。
一方「労働基準法」は、1位が法令データベース、2位が厚生労働省。残る6本は大手のSaaSと百科事典とメディアで、社労士事務所は1本もありません。
ここが「労働保険 手続き」との違いです。あちらは3位以降に事務所が入れていました。一方で「労働基準法」は1本も入っていない。よって、よほど権威性がある社労士事務所でなければ、「労働基準法」の検索結果1ページ目に表示させることすら叶いません。
検索している人が、そもそも客ではない言葉を外す
例えば「◯◯ 代行」「◯◯ 求人」といったキーワードは、「作業を発注したい人」と「作業を受けたい人」が混ざる場合があります。ここも実際にキーワードで検索することで明らかにできます。
また、「他の人はこちらも検索」を見ることも重要です。例えば「社労士 求人」で見ると、そこに並ぶのは「やめとけ」「きつい」でした。ここから、「社労士 求人」で検索するのは「その仕事に就きたい人」がメインだとわかります。
検索数と競合性単体で判定するのはおすすめしない
1ページ目を1語ずつ見るのは手間です。数字だけで判定できないかと考えたくなりますが、できません。
キーワードプランナーの「競合性」は、ほとんど「低」になる
競合性とは、その言葉で広告を出したい会社がどれだけいるかを表しています。検索順位の取りやすさとは別のものです。
ですので、「競合性の列で絞り込むべき。競合性が低のキーワードから攻めよう。」という方もいますが、当社ではおすすめしていません。
例として、当社がキーワード選定まわりのSEO用語38語を調べた結果が次のとおりです。
| 競合性 | 語数 |
|---|---|
| 低 | 32語(84%) |
| 中 | 6語(16%) |
| 高 | 0語 |
38語のうち「高」は1語もなく、多くが「低」でした。他のキーワードでも、「競合性 低」のものが多くなりがちです。ですので、競合性はそもそも記事を書くべきかの判別には使いづらいというのが正直なところです。
競合性が「低」でも1ページ目に枠がないことが多い
また、上で調べたキーワード38語を実際に入力して、1ページ目に出てくる事業者を調べました。
| 対象 | 1位から3位のどこかにツール本体か公式がある (自社では入りづらい) |
1ページ目にツール本体か公式が3本以上 (自社ではやや入りづらい) |
|---|---|---|
| 38語すべて | 28語(74%) | 21語(55%) |
| 競合性が「低」の32語 | 22語(69%) | 16語(50%) |
競合性が「低」と出た言葉の3分の2は、上位3件のどこかをツール本体かプラットフォームの公式ページが取っていました。つまり自社が入る隙間はないと見て良いです。ここからも「競合性が低いキーワードから攻めよう」という話が成り立たないことがわかります。
検索数の大小でも判別できない
検索数が大きい言葉ほど厳しい、という単純な想定もできません。
| 月間検索数 | 語数 | 1位から3位のどこかがツール本体か公式 (自社が入りづらい) |
|---|---|---|
| 100〜199 | 14語 | 11語(79%) |
| 200〜599 | 12語 | 6語(50%) |
| 600〜1,999 | 9語 | 8語(89%) |
| 2,000以上 | 3語 | 3語(100%) |
ここでは検索数100回台の言葉のほうが、200回から599回の言葉より自社で上位表示を取るのが難しいという逆転が起きています。よって、検索数の順に並べて上から取る、という決め方は成立しません。
「予測アクセス数」の大きい順に並べる方法も外れる
順位を予測して流入数を計算し、その大きい順に並べる方法もあります。ただ、これは場合によって外れることがあります。実際、当社の実測では外れました。
自社メディアにおいて表示が安定している44語で、無料ツールの順位別アクセス予測とサーチコンソールの数字を比べたところ、4位以内は予測どおりでしたが、5位から10位は予測の5分の1しか来ていませんでした。
つまり、選ぶ段階で予測流入数を計算したところで、記事が4位以内に入らなければその数字は実現しません。記事選定には使えないということです。なお、この予測と実数のズレについて、詳しくは検索順位が上がらない17の原因と対策【2026年】で扱っています。
書く順番と検索数の使い方
「自社が入れる枠がある」と分かったキーワードを絞ったら、次は書く順番です。
売上に近い言葉から書く
基本は売上に近い言葉から書きます。売上に近いかどうかは、その言葉を打った人が何を探しているかで決まります。
| 言葉に入っている語 | 打っている人の状態 | 社労士まわりの例 | 売上との距離 |
|---|---|---|---|
| 料金、費用、相場、比較、おすすめ、依頼 | 頼む先を探している | 社労士 顧問料/社労士 費用/社労士 比較 | いちばん近い |
| 変更、切り替え、乗り換え | 今の相手に不満がある | 社労士 変更/社労士 乗り換え | 近い |
| やり方、方法、手順、書き方 | まず自分でやろうとしている | 就業規則 作成/36協定 書き方 | 近くはない |
| とは、意味、違い | 言葉を調べている | 労働保険とは/社労士 税理士 違い | 遠い |
社労士事務所なら「社労士 顧問料」が先です。「労働基準法」は月9万500回検索されていますが、打っているのは制度を調べたい人で、顧問契約を探している人ではありません。
順番は売上との距離で決めます。
最初に狙うのは3語以上の具体的な言葉(ロングテール)
厳密な定義はありませんが、検索数によって、キーワードは3つの呼び名に分かれます。目安は次のとおりです。
| 呼び方 | 月間検索数の目安 | 語数 | 社労士まわりの例 |
|---|---|---|---|
| ビッグキーワード | 1万以上 | 1〜2語 | 労働基準法(9万500)/社労士 |
| ミドルキーワード | 1,000〜9,999 | 2〜3語 | 就業規則 変更/社会保険 手続き |
| ロングテールキーワード | 999以下 | 3語以上 | 社労士 顧問料(260)/社労士 顧問料 相場 100人 |
最初に取るべきはロングテールです。言葉が具体的なぶん、読者の検索意図がはっきりしていて、記事を外しづらいからです。
例えば、ビッグキーワードの「労働基準法」で検索した人が何を知りたいかは分かりません。一方でロングテールキーワードの「社労士 顧問料 相場 100人」なら、従業員100人規模の会社が顧問料の相場を知りたいのだと分かります。つまり書く内容が一意に決まります。
また、ロングテールの方が上位表示は取りやすいです。サイトを設立してから間もない間はGoogleからの高評価もたまっていないので、ロングテールを積み上げるのがおすすめです。
検索数がどれだけ少なくても扱うべきキーワード
検索数が少なくても、攻める価値があるキーワードがあります。そのキーワードを打つ人が、そのまま客となる場合です。
「社労士 顧問料 相場 100人」のような言葉は、検索数は小さくても、打っているのは従業員100人規模の会社です。1件の問い合わせで顧問契約になるなら、検索が少なくても労力に見合います。
検索数の基準はジャンルで動きます。1件の受注が数十万円になる商売なら、月50回未満など、非常に小さい検索数のキーワードまで攻める価値があります。
検索数が空欄の言葉も、場合によっては捨てずに残す
キーワードプランナーで検索数が空欄になる言葉があります。集計の下限を下回っているという意味です。
ただ、新しく生まれた言葉や、業界の中でだけ使われている言葉はここに入ります。読者がその言葉で検索していると確信があるなら、数字が出なくても候補に残します。
検索意図の4分類と確かめ方
同じ言葉でも、打った人の目的が違えば、求められる記事の形が変わります。この目的の違いを4つに分けたものが検索意図の分類です。
検索は目的で4つに分かれる(Know・Do・Go・Buy)
検索は目的で4つに分けて考えると整理できます。
| 分類 | 打った人がやりたいこと | 言葉の形 | 社労士まわりの例 |
|---|---|---|---|
| Know | 意味や仕組みを知りたい | 〜とは、意味、違い、いつから | 労働保険とは/36協定とは/社労士 税理士 違い |
| Do | 自分で何かをやりたい | やり方、方法、手順、書き方、書式 | 就業規則 作成/労働保険 手続き/36協定 書き方 |
| Go | 決まった場所へ行きたい | サービス名、機関名、サイト名 | e-Gov 法令検索/年金機構 電子申請/ハローワーク |
| Buy | 買いたい、頼みたい | 料金、費用、相場、比較、おすすめ、依頼 | 社労士 顧問料/社労士 費用/社労士 依頼 |
問い合わせに最も近いのはBuyです。買うために検索しているからです。次がDoです。手順を調べた人は、そのうち代わりにやってくれる相手を探し始めます。Goも比較的近いです。
一方で、Knowは非常に遠いです。問い合わせには繋がりづらいです。ただ、検索数は多い傾向があります。
分類が違う言葉は1本にまとめない
「社労士 顧問料」はBuy、「社労士とは」はKnow。この2つを1本の記事で狙うと、どちらのキーワードでも上位表示できなくなります。
読み終わったあとに読者がやることが違うからです。
- Buyで来た人は見積もりを取りたい
- Knowで来た人は言葉の意味が分かれば終わり
分類は、1ページ目の記事の形で確かめる
分類は言葉の形から推測することも可能ですが、実際のところは外れることが多いです。確実なのは1ページ目を見ることです。
比較表が並んでいればBuy、手順を解説した記事が並んでいればDo、公式サイトが並んでいればGo、といった形で判断できます。
選んだキーワードが別記事と重なったとき(カニバリゼーション)
自社のサイトの中で複数の記事が同じ言葉を取り合うことを、キーワードカニバリゼーション(カニバリ)と呼びます。
カニバリが起きると、Googleが「どの記事を表示すれば良いのか」を判断できません。結果、評価が割れてしまい、どの記事も中途半端な位置になり、流入が減ります。
対処法:記事を書く前に、自社のサイト内で検索して確かめる
新しいキーワードを候補に入れたら、書く前に確かめます。Googleの検索窓に「site:自社のドメイン 狙う言葉」と入れると、その言葉に関係する自社の記事が出ます。
すでに近い記事があるなら、新しい記事を作るのではなく、既存記事に追記するべきです。
すでに重なっているときの見分け方と対処法
カニバリを見分けるには、サーチコンソールを使います。2つ以上のURLが表示回数を分け合っていて、どちらも順位が低ければカニバリが起きています。
対処法は2つです。
- 1本にまとめて、残す側にリダイレクトする。順位が付いているほうを残すのが基本
- 片方のタイトルと冒頭を書き換えて、狙いを別の言葉に振り直す
一覧表を残しておけばカニバリは防げる
手順6の一覧表があれば、カニバリは防げます。新しい言葉を足すときに、表を見れば同じ言葉があるかどうかが分かるからです。
記事が20本を超えたあたりから、頭の中では管理できなくなります。ですので、表は最初から作っておきましょう。
キーワード選定でやってはいけないこと
検索数の大きい順に選ぶ
検索数が大きいからといって、問い合わせにつながるかは別です。検索数が多ければ多いほど競合も強くなります。
競合性だけで選ぶ
キーワードプランナーの競合性は、単に広告の入札の混み具合です。記事で狙うような言葉ではほとんどが「低」に寄るので、これでは差がつかず判別になりません。
似ているというだけで言葉を束ねる
言葉が似ていても、1ページ目に並ぶサイトが入れ替わるなら別の記事にします。束ねてよいかどうかは、語感ではなく1ページ目の重なりで決めます。
SEOで悩みを抱えている経営者・担当者の方は、ぜひ無料相談してください。現在の集客の状況を伺い、何から手を付けるべきかをお答えします。相談は無料で、契約の義務はありません。
よくある質問
Q. キーワードは1記事に何個まで狙えますか?
基本、狙うのは1つです。ただし結果として拾う言葉は複数になります。答えが同じになる言葉、たとえば「社労士 顧問料」と「社労士 顧問料 相場」は1本でどちらも取りにいけます。まとめてよいかどうかは、2語で検索して、1ページ目に出てくるURLの半分以上が重なるかどうかで判断します。
Q. キーワード選定は無料でできますか?
はい、ラッコキーワードとキーワードプランナーの2つでできます。有料ツールが要るのは、競合サイトの流入キーワードを丸ごと抜き出したいときです。
ただし、ツールが出すのは候補と数字までです。1ページ目を1語ずつ確かめて枠があるかを判定する作業は、どのツールを使っても人が介入するべきです。ここが選定でいちばん時間がかかるところです。
Q. SEOのキーワード選定は意味がないと言われるのはなぜですか?
よく言われる検索数と競合性だけで選ぶやり方が、当たらないからです。この記事で解説したように、1ページ目の顔ぶれまで見る選定なら十分に意味があります。
Q. AIによる概要が出るキーワードは避けるべきですか?
避ける基準にはなりません。問い合わせにつながるなら書くべきです。
Q. 個人のブログでも選び方は同じですか?
同じです。
この記事の数字はどこから取ったか
検索数は、Google広告のキーワードプランナーで2026年9月6日に測った値です。日本、すべての言語、Google、2025年8月から2026年7月の月間平均を使いました。SEOに関する85語を「検索のボリュームと予測のデータを確認する」に貼り付けて実測しています。
キーワード候補との突き合わせは、5つの言葉を「新しいキーワードを見つける」に入れて得た599語を対象にしました。月100回以上の38語のうち、この599語に一度も現れなかったのが20語(52%)です。
1ページ目の顔ぶれは、2026年9月6日にGoogleで1語ずつ検索し、1ページ目に出た9本から10本のドメインを「プラットフォームの公式」「ツール本体」「記事」に分けて数えました。検索は日本語、日本、パーソナライズなしの条件です。対象は、月100回以上でキーワードプランナーが競合性を返した38語です。AIによる概要の有無も、同じ日に同じ条件で18のクエリを検索して確認しました。
社労士に関する言葉は、同じ日にキーワードプランナーの「検索のボリュームと予測のデータを確認する」で10語を測り、月間平均検索ボリュームを取りました。設定は上と同じです。1ページ目の顔ぶれも同じ日に同じ条件で数え、事務所のサイト、省庁と自治体のページ、SaaSと百科事典とメディアの3つに分けています。2つの言葉が何本重なるかも、同じ日の検索結果で数えました。
無料ツールの順位別アクセス予測と実数の差は、表示回数が推定検索数の3分の1から3倍の範囲にあり、平均掲載順位が10位以内だった44語について、予測値とサーチコンソールの実数を比べたものです。
キーワードの扱いとスパムの判断は、次のGoogle検索セントラルの公式文書に沿って書いています。